『蝮』

三番町萩原屋の美人 選集 (5) (ウィングス・コミックス文庫)
なんだか無性にマンガが読みたくなって本屋へ行くと
西炯子さんのマンガを発見。
何も考えずに1、2巻を購入してしまいました。


この方のマンガは高校時代から好きなんです。
(おそらく同郷の方なんです)
1,2巻で完結している話かと思っていたら
『三番町萩原屋の美人』という長編マンガの中の
トモジという登場人物の話をまとめた作品集でした。


『三番町〜』を読んでいないので、いっぱい登場人物がわらわらと出てきまして
この人は誰〜〜?どんな関係〜〜?
といっぱい「?」が出現して、でも2巻を読み終わると
なんとなく全体像が把握できたような気がします。


時代はおそらく明治(?)萩原屋というデパートを中心に繰り広げられる
人間ドラマです。
中でも『三番町〜』の主人公は、いくつになっても20代の姿のままの萩原屋のオーナー(?)
(孫もいるみたいなんですけど…)
で今回の『蝮』の主役のトモジは、萩原屋で働くことになる、とっても仕事が出来る一見温厚な青年。
しかし、タイトルどおり『蝮』なんですよ。
トモジと萩原屋オーナーやその周辺の人々が辿る数奇な運命にハラハラドキドキします。
長〜い歴史物を読み終えたような読後感。
波乱万丈な人生だったけど、トモジは恐らくまだ20代後半、
その後は幸せに暮らして欲しい、
という読者の願いを叶えるかのような希望のあるラストがいいカンジでした。