『テロリストのパラソル』

テロリストのパラソル

テロリストのパラソル

藤原伊織さんの『テロリストのパラソル』を読みました。
先日『ひまわりの祝祭』を夢中で読んだのですが、その作品よりも面白くて江戸川乱歩賞直木賞のW受賞している作品と聞いて、図書館でまず探してしまいました。

新宿中央公園で起こった爆発事故。偶然近くに居合わせただけのはずだったのに、昔の恋人や親友が亡くなっており、否応もなく巻き込まれていく主人公−−−実は若い頃学生運動をしていたために過去を隠してひっそりと生きていた−−−


面白かったです。ストーリーに無駄がないし、キャラクター全てが濃くて生き生きとしている。そしてラストのセリフが印象的でした。たった一言でその悲しみの深さが分かるような…。

でも、物語に引きずりこまれる軽妙な文体というのは、私が最初に読んだ伊織作品だからなのか『ひまわりの祝祭』の方に感じたなぁ。

そうそう、新宿中央公園・西新宿etcと自分が知っている場所が舞台だと、よりリアルに物語を感じられました。とても懐かしかったです。