『ユージニア』

ユージニア

ユージニア

恩田陸さんの『ユージニア』を読みました。
「ユージニア」という響きがなんとなく好きで手にしました。

ストーリーは私にとって難しかったです。
蒸し暑い夏のある日、とある街の名士宅で起こった大量毒殺事件。被疑者死亡のため真相は分からないまま終わってしまった事件を当時小学生だった女性が、大学の卒業論文のために関係者を取材し、本として出版します。それからまた7年の歳月が流れて、ある人物が再びその事件の関係者に取材しているというのが、『ユージニア』の内容です。(注:毒殺事件から17年経って関係者に取材している)

取材をする人によって、事件の捉え方、物の見方が違ってくる---わけで事件の真相が掴めそうで掴めないもどかしさ。
最初は小説の構造によって、なかなか物語に入り込めなくて苦労したのですが、途中からは「誰が、何のために?」と夢中になったのに、すっきりしない感じで終わってしまい、晩秋なのにショート気味の頭と蒸し暑さが残りました。(実際に暖かい昼下がりだったんですけどね)


表紙をめくると『ユージニア』という詩があるのですが、それが凝っているなぁと思っていましたが、本の活字全てが少し斜めっていることを後からネットのレビューによって気づかされました。すごい懲りよう。。。気づかなかった私ってニブ…?