「森は生きている」

森は生きている

無名塾のミュージカルで、昨年末から気になっていて、上の「1月の観劇予定」に記載していました。
昔からの常連さんならご存知なんですが、私の観劇予定は、結局見ない(見れない)場合も多いんですけど、この「はてなダイアリー」は各検索エンジンに書いた文書が大公開で、超あけっぴろげ!!
お陰で色んな検索でこの日記にいらして下さっている方がいらっしゃるんですが(面白い検索キーワードに関しては、その内また書きますね。いやあ、結構笑える検索があるんですよ)
そこで、「森は生きている/無名塾/ルテアトル銀座」でもいらしている方が結構いまして。同じ方かもしれないし、別な方かもしれませんが、とにかく観て感想を書かなくてわ!と妙なプレッシャーがかかりました。だけど、S席8000円は財布が痛い。
と思っていましたら、イープラスで得チケが出ていました。でもね、A席だったんですよ。(思ったより、後ろの席だったのでビックリ、B席もあったんだけど…)やっぱりS席で見たかったなあ。


ルテアトル銀座という劇場には初めて行きましたが、綺麗で格式あるカンジで素敵です。ただ、エレベーターが2台しかなくて、開演10分前に辿り着くとエレベーター前に道路にはみ出しそうなくらいの長蛇の列。5階の映画館で「サウンド・オブ・ミュージック」を見る方々と時間が一緒で大混雑だったのです。
階段には「出口専用」の貼り紙がしてあったんですが、皆3階の劇場に向かって、登り始めまして、ついていったら、登っても登っても着かない。
3階はとっくに登っただろう、と思っていたら、5階の扉に辿り着いちゃったんです。(5階の映画館専用出口階段だったらしい)
かなりの人数で登っていたので、皆疲れたし、ビックリだし、これで開演してたら、チケット代返せ!状態でした。
もちろん、開演には間に合いました。多分5〜10押しで始まったと思います。


保育園の時にお遊戯会で、花の精をやったことを妙に覚えていて
多分小学生のときに、本を読んで感動した覚えのある「森は生きている」ですが
”雪の森に春の花であるマツユキソウを取りに行く話”しか覚えていないんです。
私は一体何に感動して、何故いい話だと思ったんだろう?それを確認しに行くのが一番の目的でした。
そしたらやっぱり子供向けのファンタジーなんですよね。
大人の私が、感銘を受けるようなセリフとかシーンがある訳ではないんです。
だけど、思い出しました。
小さい頃、本を読んだ時、ヒロインの女の子が継母や姉にいじめられて、雪の中死んでしまうと思って、本当にハラハラドキドキしていたんです。
そこへ12ヶ月の精霊が現れて、女の子が幸せになれて、本当に良かったと胸を撫で下ろしたんです。
女の子が死ななくて、良かった。森には精霊がいるんだって事に、小さい私はいい話だと思ったんでしょうね。
小さい頃は、見えないけど妖精は居ると思っていましたもの。
最近では、妖精(精霊)の存在なんて、思い出しもしなくなっていました。
小さい頃の自分を思い出したり、自然の力や四季の美しさなどを思い出せた事がとっても嬉しい、心温まるミュージカルだったと思います。


ヒロインを演じていたのが仲代奈緒さん。仲代達矢氏のお嬢さんで歌手だそうで、可愛くて素敵な歌声でした。
また我侭で、とっても困った人なんだけど、どこか憎めない愛らしい女王様が山本雅子さん。森の中で12ヶ月の精霊に逢って、人に命令するのではなく、お願いをする事を覚えた彼女は、その後どんな女王様になったのでしょう。一番その後が気になる登場人物です。
それから、継母と姉役の方は、本当に憎たらしく、テンポ良く演じてらっしゃいました。
4月の精霊、青木堅治さんはカッコよく(でも「待ってくれ!」と娘を呼び止める大げさな演技は新劇だな、と笑えました)
3月の精霊、真矢武さんは、ひとりでバク転したり、バレエを踊ったり、異彩を放っていましたね(パンフで経歴を見て納得)
で、10月の精霊、StudioLifeの林勇輔さんは目立たなくて、何で客演しているんだろうと思っていたら、二役で女官長役だったんですね!
女官長面白かった!
二幕の宮廷シーンから森への道行きでは、コミカルな演技&キャラクターで客席に笑いを起こし、引っ張っていってくれました。(坂を頭から滑ったり、体張ってましたしね)


そういえば、ミュージカルと言う事ですが、ダンスは宮廷シーンと青木さんのソロしかなかったですね。音楽劇とか銘打てばよかったのに。
美術は、雪が良かった。雪って、不規則に舞い降りるじゃないですか。
天井から、雪を降らせているんですが、袖からも送風機で風を送っていまして、その送風機の風の流れも床スレスレで粉雪をさらっているかと思うと、逆風のように天井めがけて、雪を舞い上げたり、工夫されていて、見ていて飽きなかったです。
もちろん、4月の精が1時間だけ、森を春にするシーンも見事で綺麗だなあ、と思いました。


ちょっとだけ童心に戻り、なんだか心があったかくなって帰途につき、最寄り駅に着く頃には雪が降り出していました。
私にとっては今年最初の雪で、「森は生きている」を見た後だったから、本物の雪が、贈り物のように思えて、いつまでも天から舞い降りる雪の精を見上げていたい気持ちでした。