読了「Miss You」

MissYou

柴田よしきさんの「Miss You」を読みました。 
考えてみたら、先月図書館へ行ってなかったんですよ。 
全く本を読んでいない訳ではないんですけど 
あっつい夏こそ、お部屋で読書だなって思っちゃいました。 
 
雑誌の新刊の紹介文章が載っていたり、 
書店で山積みになっている本のデザインや 
帯のキャッチコピーに心惹かれる場合って多いんですが 
図書館に行くと 
味気ない背表紙の羅列に何を読んだら良いのか 
本を読むワクワクした気分を削がれる気がするのは私だけでしょうか? 
私の最寄の図書館の雰囲気のせいかのかなぁ? 
 
自分であらかじめ読みたい本のリストとか作って行けば良いんだけど 
面倒だし、本棚をブラついて「あ、コレ面白そう。読んでみたい」 
って本に出会う楽しみというのも捨てがたいですよね。 
 
今回は柴田よしきさんに初めて兆戦。 
本棚をブラついていたら「あ、この名前よく見る気がする」 
(雑誌の広告でも頭の片隅にこうしてインプットされているのが凄いよね。 
 これが宣伝効果ってヤツだよね。買わなくちゃ意味ないだろうけど) 
ちょうど借りに行った時が、恋愛はお休みモードなんだけど 
切ない恋愛物が読みたいと思っていたので 
「Miss You」を手にしてみる。青いカバーも好き。 
初めて出会う作家さんには、なんだかドキドキします。 
これもまた、恋に似ていると思う。 
 
ストーリーは東大卒の編集者で結婚も決まって仕事も順調な有美の 
先輩編集者が殺害され、その直後から、彼女の身の回りにも 
嫌がらせや身の危険が続いていく話。 
本って作家の力だけではなく、作家を支える編集者と一緒に 
作り上げるものなんだという話は聞いていたけど 
この小説でそのコトがよく判ったし、 
一生懸命仕事している有美に好感が持てる。 
話はいくつもの謎が交差していて、複雑といえば複雑かなぁ。 
 
いろんな話が絡まっているので、いろいろ考えちゃいました。 
なので、感想箇条書き。 
☆復讐屋とか別れさせ屋とか、巧妙な手口だし、ターゲットになったら 
 怖いなぁ。 
☆結婚って誰かの所有物になるこ事ではない。多少の我慢は必要だけど 
 結婚が決まったからって、態度が変わる男って最低。 
☆信じられない信じてくれない相手とは結婚したくないなあ、 
 でも有美はまだ彼が好きなんだよね。 
 本当の信頼関係とは時間の積み重ねが必要と考えて、 
 すぐに別れないでコツコツと努力をすべきなんだろうか!? 
 でもなあ、結婚を考えるくらいの付き合いをしていたのなら、 
 時間に関係なく、もっと全面的に信じて欲しいな。 
☆自分が書いた小説の影響で本当に人が死んだら、殺人事件が起こったら 
 怖くて書けなくなってしまうよね?でも書いて欲しい。 
 小説の中に出てくる作家さん達に対しても思ったし 
 柴田よしきさん自身にも、どんなコトがあっても書き続けてねって思った。 
☆若い男性作家二人は、本当にお騒がせな人達だったなぁ。 
 片方がもう1人に非常に突っかかっていく下りで、コレはもしかしたら 
 好きだから、ちょっかいだしたいって子供なのねって思ったけど 
 自分達の恋愛のゴタゴタに他人を巻き込むなぁ! 
 とりあえず、小説の中でこの二人だけはハッピーエンドで良かった。 
☆エピローグを読むまで、彼女のついたウソに全く気付きませんでした。 
 確かに「酔っ払った時じゃないと男とHしないのはレズの可能性が高い」って 
 前振り部分があったのに…。 
 
私が読みたかった(予想していた)切ないラブストーリーではなかったけど 
でも、やっぱり恋愛小説なのかなぁ。 
編集者が作家を支えるのも恋に似ている、らしいです。 
面白かった(*^_^*) 
柴田よしきさんの別な作品も読んでいこうと思いました。