[演劇]番町皿屋敷

四月大歌舞伎、昼の部に行ってまいりました。
落語塾の発表会に「お菊の皿」をやる予定で、立川談志師匠のCDを聞いて勉強をしているのですが、談志師匠の「お菊の皿」には、岡本綺堂の「番町皿屋敷」のセリフも出てくるものですから、これは「番町皿屋敷」の話も知らなくちゃいけない!
というわけで、ネットで検索すると、ちょうど今歌舞伎座でやっているではないですか!
歌舞伎座は昨年の野田歌舞伎以来。その時に幕見というシステムを知ったので、今回も幕見の予定で行きました。歌舞伎が好きだという、落語塾の姉さんを誘って行ったら、さすがツウ(?)で、「せっかく来たんだから、昼の部全部見たいね」全部見るなら幕見(\2500)と、3階B席(\2520)は値段変わらないし、当日券があるというので、指定席で見ることになりました。
歌舞伎は専門学生時代に授業の一環で「外郎売」を見たことがあるのですが、あんまり覚えていなくて、今回初めて、お弁当を購入して、一回から入って、売店見て……いやあ、なかなか楽しいものですね。
で、「番町皿屋敷」ですが、もともと粗筋は談志師匠のCDで聞いていましたから、感情移入が激しく、泣いてしまいました。
『町奴や旗本奴と喧嘩ばかりしている青山播磨。播磨の伯母は、結婚すれば落ち着くだろうと、縁談を持ってくる。ところが播磨は女中のお菊と恋仲になっており、縁談話になど耳を貸すつもりはない。お菊の方は、播磨の縁談話に身分の差もあることから、たいそう不安になり、播磨の心を試そうと、粗相をしたら手打ちになるという大切な唐家の皿を割ってしまう。お菊が粗相で皿を割ったと聞いた播磨は、「粗相なら仕方ない」とお菊を許し、尚且つ「屋敷にお菊の母を呼んで一緒に暮らそう」と言ってくれる。そこへお菊がワザと皿を割ったのを見ていた者がおり、事の真相を知った播磨は自分の心を疑われた、試されたことに怒り、お菊を手打ちにして井戸に沈めてしまう。お菊も殿の気持ちに偽り無かったと、自分の浅はかさを知り、納得して切られる。播磨は「一生の恋が終わった」と言い、喧嘩の加勢に駆け出してゆく。』
お菊は馬鹿な女だと思っていたのですが
(でも現代でも彼氏や旦那の携帯をコッソリcheckしているお菊のような女性は多いからなあ)
どうしても不安で試さずには居られない心情が伝わってきたし、播磨の気持ちが判って嬉しそうな姿が愛らしく、試したことがバレて、打ちひしがれ、また播磨の気持ちに納得して切られる姿にスッカリお菊が好きになりましたね。
また播磨が怒って「皿を割ったことを怒っているのではない」と他の皿も割っていくシーンが物凄い緊張感と迫力がありまして、好きな人に疑われた事がどうしても許せなくて、好きだから殺してしまう心情にも痛く心が打たれました。
と、書いているうちに結局二人とも若かったんだなあ、とも思い始めました。
もう少し、大人になっていたら、播磨もお菊を許せたのではないかなぁ、なんて。

ちなみに、この「番町皿屋敷」のお菊は納得して死んでいくので、幽霊になって出てはこないそうです。落語の「お菊の皿」では幽霊として出てきているし、お菊さんはかなりコミカルだし、勉強になったような、なってないような。。。
五月大歌舞伎の夜の部では、別な”皿屋敷”物があるようなので、また行きますかね!

2520円で「番町皿屋敷」「棒しばり」「義経千本桜」と3つも芝居が見れるなんて、歌舞伎もなかなかお得だなあ、と思ったんですが、11時開演で15時30分くらい終演で、あんまりいい椅子ではないので、お尻は痛くなるし、集中力がなくなると歌舞伎の節回しのセリフは眠くなりますね。
歌舞伎も見てみたいけど、なかなか馴染みがない、という方は好きな役者が出ているか、作品自体に凄く興味が物に行く方がいいですね。必ず「筋書き」本を買ってね。
義経千本桜」は粗筋読んで、凄く泣けそうだったのに、集中力が切れてて、セリフ回しが難しくて理解できなかったので、ダメだった。やっぱり双眼鏡もないと、ダメだなあ、写真だと知盛の血だらけの姿が迫力あるのに、3階席からだと、あんまり。
1階席とかだと、椅子のスプリングは効いているんだろうか?足が伸ばせるくらい、スペースはあるんだろうか、そのうちでいいから、いつか一階席で歌舞伎を見てみたいです。