「燃えよ剣」初日

kikimimi202004-05-01

行ってきました。明治座。浜町ではなく、浜松町に行きそうになりながら…(^。^;)
上川隆也」の幟が立っておりました。なんと、3幕で休憩含めて4時間以上です。
明治座近辺に詳しくなくて、コンビニしか見当たらず、お昼はサンドイッチ買いました。劇場内で美味しそうなお弁当がありましたので、余裕があれば、劇場のお弁当、もっと余裕があれば、レストラン予約がいいですね。
客層は、とにかく女性客が目に付きました。20後半から50代がやっぱり多いです。2人くらい10代の子も見かけました。厚底クツを履いていて、なんか原宿が似合いそうな格好な子。私の席の前には30代くらいの男の方、二人連れがいまして、ちょっと目を引きました。有名人とかは、気がつかなかったですね。
席はS席なんだけど、2階の最後列でした。初日なのにポツポツ空席あり。S席だからなんでしょうか?


お芝居の方ですが、感想は「軽いなぁ」という感じです。
まあ、私の失敗は原作の『燃えよ剣』を上巻の3分の1しか読んでいないことなんですけど。
それでも、1幕からどうも近藤と土方のやりとりが軽くて、気持ち悪いんですよ。
脚本はラッパ屋の鈴木さん、ラッパ屋の芝居を観た事ないんですけど、面白いと評判を聞いていて、楽しみにしていたんですけど。
それとも演出のラサール石井さんの演出で、”軽い”んでしょうか?
1幕は”つかみ”だから、笑わせて観客の心を掴まえなくてはいけない、その為の芝居で私にとっては”軽い”と感じるんだろうか…と前向きに考えることにしました。
30分の休憩でソファでサンドイッチを食べていると、通る方々が「面白いね。時代劇って聞いていたから…」と話しているので、掴みはOKだったようです。
1幕は、七里(塩野谷正幸)との出会いから、京へ登り、池田屋事件、そしてお雪(富田靖子)との出逢いまで。


2幕は山南の脱走・切腹、藤堂の死、大政奉還から鳥羽伏見の戦い、お雪との今生の別れを決意した小旅行が描かれます。
少人数でのしっとりとした余韻のあるシーンが多かった為、シーン終了ごとの暗転が(一巻くより)多かったし、長くも感じました。前の休憩で、サンドイッチ食べてお腹いっぱいになっていたので、暗転になるとちょっと眠くなって困りました。
山南(羽場裕一)さんが良かったなあ。
お雪と土方の二人のシーンも好きでした。


3幕では、大名になった近藤を故郷・武州の者が祝うシーンから、勝沼の戦い、そして近藤の投降。沖田の死。土方は五稜郭へ----。
洋装の土方に客席から歓声が!!
お雪が土方に会いに来たシーンでホロッときました。
男は死に方に美学を持ち、女は生きることに意味を見出すんだなって。
最後まで、土方を追ってきた七里との対決シーンは、緊張しました。
素舞台に一人立つ土方の背後に新撰組の幕が下り、近藤の声がして
そして幕が開くと満開の桜に仲間達が花見をしている楽しそうな姿との対比にジーンとしました。


でも、やっぱり全体的に”軽かった”かな。
もっと、グググッと手に汗握って集中して、感情移入をドップリしたい欲求があります。
長い話を原作を読んでいない人にも、時代劇が苦手な人にも受け入れ易く、3時間ちょっとにまとめるのは大変だったと思います。
ドップリ漬かりたい人は、やっぱり司馬遼太郎の『燃えよ剣』をちゃんと読んで事前学習をして、芝居で描ききれて居ない部分には、自分で脳内補完しましょう、ということですね。


風間杜夫さんの演技、魅せ方、声の張りは「さすがだな!」と思わせるところが多々あり、ちょっとお馬鹿に見えるチャーミングな近藤も、土方と深刻な話をしている近藤も安心して魅せてくれました。
葛山信吾さんの沖田は爽やかでした。声、姿、演技、私のイメージする沖田と違和感が無くて、嬉しくなりましたね。(キャラメルの菅野さんの爽やかさと一緒でとっても好きでした)
富田靖子さんを舞台で観るのは初めてだったんですけど、姿勢、所作が綺麗で、お雪が本当にいい女で、土方が惚れるのがよく判りました。
羽場裕一さんも2幕の切腹シーンでは、魅せてくれましたね。もともと好きな役者さんですが、ますます好きになりそうです。3幕で幽霊としての登場もおちゃめで、あの演出はラサール石井さんらしいな、と思いました。(羽場さんのおちゃめぶりを判った上で、ああいう登場になったのかなーっと)


残念だったのは、初日でちょっとセリフを噛んだりしてた方が居た事と、廻り舞台では仕方が無いことなのかもしれないんだけど、幕前で芝居している裏で廻り舞台の廻っている音が気になること。
それから、殺陣。あんまり「おおっ!」という魅せる殺陣ではない気がしました。後からパンフを読んだら、実際に剣を当てる殺陣ということで、それはそれで凄いけど、舞台向きではないような…。映像だったら、本当に剣を当てている殺陣の方が迫力出ると思うんですけど。舞台は当てているようにみせる殺陣で見栄えがあるほうが客受けはいいのではないかと…。原作を読んでいると、土方の剣は我流なので、見栄えとは遠くなる気もします。史実を取るか、舞台としての見栄えをとるか…。近藤も沖田もあんまり強く見えなかったんですよね。私もそんなに殺陣に詳しいわけじゃないんですけど。


音楽は、ほとんどロック調でした。ワクワクする曲もあったけど、曲と曲の繋ぎが上手く行ってない気がする箇所もありました…。


あ、あんまり上川さんの事を書いてないですね。
えーっと、演技的に気になるところは無かったです。(惚れた欲目です)
ただ、すっごくいい!と思ったシーンも、今思い出せないので…。
初日が終わって、これからこなれて行くともっと良くなっていくのではないでしょうか?とにかく楽しそうにやっていました。


1日2ステージですからね。
鳴り止まない拍手に一人で走って出てきて、頭下げて、また走り去って行きましたが
体に気をつけて、怪我のないように無事千秋楽を迎えて欲しいです。
私もまた来週行きます。
で、当日券もありそうなので、後半にも行けたらいいなぁ。