『四日間の奇蹟』

四日間の奇蹟 (宝島社文庫)
浅倉卓弥さんの『四日間の奇蹟』を読みました。よく行く本屋さんで平積みにされていて、とっても気になっていたんです。なんとなくタイトルから、”夏””少年たち””冒険”という単語が、頭を過ぎっていたんですけど、全然違う話でした。

ある事件でピアノを弾けなくなったピアニストと脳に障害のある少女が、ある山奥の施設で奇蹟に出逢う話。

脳に障害のある少女というのが、一度聞いた曲をそのまま再現できる能力がある設定で
そう先日まで見ていたTVドラマ「仔犬のワルツ」と重なっているんですよ。ピアニストと少女の年齢差もおそらく同じくらい。

クライマックスのピアノのシーンでは、行間から本当にピアノの音が聞こえてくるようでした。 私の頭の中には、「仔犬のワルツ」の『グロリア』。それからショパンの『別れの曲』

他にも色んなピアノの曲名が出てくるんですけど 、月光』と聞いても、すぐに旋律が浮かばないのが、哀しいかな、教養のない証拠。

『別れの曲』だけは、有名だし、大好きなので、すぐにメロディが流れてきました。
『別れの曲』が出てくるように、”奇蹟”も割りと使い古されたネタなんですが、それを上手く、完全に浅倉流に纏めあげられていて、悪くない小説でした。

凄くお薦めはしませんが、クライマックスの行間からピアノの音が聞こえるようなシーンだけ、ピアノ好きな人には、ちょっと読んでみてって言いたいかも。