『スチームボーイ』

久しぶりに宮崎アニメ以外のアニメ映画を観ました。
http://www.steamboy.net/intro.shtml


本当は『イノセンス』とか『アップルシード』とかも
見たかったんですけどね。
(『イノセンス』は美術評価が高かったし、友達も絵が綺麗だったと言っていたから、
アップルシード』はヒロインの声をしているのが、好きな女優さんだったから)


で、何処かで「結局は壮大な親子喧嘩」と書かれていましたが
まあ、確かにそう言えばそうだけど。
科学は人間を幸福に出来るはずだと信じて
その科学の進歩は
人間が正しく使えるようになるまで待たなければならない
と思っているおじいちゃんと
或る程度の犠牲は仕方ないと私利私欲に走るお父さんの間で
主人公レイがどう感じて、どう生きていくかが
テーマなんだと思う。
レイ(子供)=未来、なんだよね。


で、巷で言われているように、あんまりお勧めは出来ません。
なんだろう?なんで面白くないんだーって考えていたんですけど
やっぱり、ストーリーに欠点があるんだろうな。
アニメーションの技術にばかり凝って、
アングルとかスピード感とかロンドンの街並みとか要塞とか
確かに凄いなって思うところはあったけど
一番の骨組み(ストーリー)がしっかりしていないとダメなんだなぁって。
キャラクターもそれぞれ、そこそこ面白いクセ者が揃っていたと思うんだけどねぇ。
活かしきれない台本っていうんでしょうか?


突然、変なボールを贈られてきて、変な男たちに追われるわ、
おじいちゃんに「お父さんは死んだ」と言われるわ
男たちに捕まったと思ったら、お父さんが生きているわ。
とにかく観客の目線は、主人公と一緒に動いているわけだから
もっと主人公の目線を大切に彼の心の動きを丁寧に追ったほうが良かったんだと思う。
うん、技術を追うばかりに夢中になってしまって
(自分達が描きたい物を追うのに精一杯になってしまって)
観客の目線を忘れてしまっているんだな。


途中から、ちっとも笑えるシーンが無くて、
適度に笑いを入れるって、どんなエンターテインメントにも必要な事だと思うんだよね。
笑わして、心をほぐしておかないと感動できないんだ。
ずーっと、爆発シーンが続いて、似たような飛行シーンとか…。
とにかく観ていて「疲れた」という感想が出てしまうのが哀しい。


でも、きっと2を観ちゃうんだろうなあ。
結構クセモノ揃いのキャラクターのその後が気になるので。


あ、鈴木杏ちゃんの声は男の子していて違和感はありませんでしたが
一箇所、アニメの表情と杏ちゃんの声の表現がちょっと違うカンジがした所がありました。
小西真奈美さんのスカーレットは、ちょっと違和感あるけど
それは小西さんの声ではなくて、
スカーレットのキャラクターデザインがあんまり私好みでないせいだと思う。


それから、今年は”動く城”の年なんだね。
映画の予告編で『ハウルの動く城』を見た後で
本編で、城(要塞?)が空飛んだり、足が生えたりすると
どーしても『ハウル』だーって思ってしまいました。