『コミック・ポテンシャル』

加藤健一事務所の『コミック・ポテンシャル』を
当日券でふらっと見に行きまた。
http://homepage2.nifty.com/katoken/57-index.htm


キャラメルボックス細見大輔氏が
毎回ウェルメイドのお芝居を提供している加藤健一事務所に
客演と聞いたら、楽しみで仕方ない上に
演劇集団円の平栗あつみさんもご出演。
この3つが重なったら、行かない訳にはいかないでしょう♪
と思っていたんですが、チケットを取り忘れ
最近は2回の帰省により懐が寒く…。
でも、やっぱり観たい!!


舞台は近未来、
俳優という職業は人間ではなく、
アンドロイドがやるようになっている世界。
脚本家を目指すアダムという青年が、
ジェシーというアンドロイドに恋をして…。
というラブコメ(?)です。


恋する切ない青年アダムが細見さん。
ドキドキしました。
彼は、恋する不器用な切ない青年役が似合うんだと再認識。
(キャラメルの作品だと『裏切り御免』とか『アローン・アゲイン』等)


1幕の最後にジェシーと見詰め合っているシーンとか
何も言わなくても、切なくて切なくて
恋がしたくなりましたよ。
(二幕では何度も「愛してる」なんて、
 普段あんまり聞かないセリフを聞いて、
 自分に言われている訳ではないのによろめいている私…)
二幕は、ジェシー役の加藤忍さんが可愛くて可愛くて。


本当は、平栗あつみさん扮するプリムが
「人間だって、恋をしたら、
 自分で自分の感情をコントロールできなくて
 どうすればいいのか判らなくなってしまうのに
 アンドロイドが恋をしたら、どうなると思う!?」
と言うように、もっと凄い事が起こった方が面白かった気がするのだか…。
爆発するとか、フリーズするとか。


割と普通に人間の女性っぽい混乱の仕方でした。
そこが可愛いんだけどね。
一生懸命、自分で自分が判らないって泣きながら
アダムに訴えているところが。
鈍感な男だったら、自分もジェシーが判らなくなってしまうところ
ちゃんとジェシーが自分を好きになって混乱していると理解して
抱きしめてあげるアダムが素敵なんだなぁ。


只のアンドロイドだったのが、アダムに出会って
どんどん感情を持ち、色々な表情を見せて
素直なジェシーが可愛かった。
もちろん、ハッピーエンドです。


本音を言えば、二幕は場面転換が多くて、暗転がかなり入り
その分、ストーリーが散漫してしまったカンジがするので
ちょーっと不満ですが。


アンドロイド役の方々の動きにとにかく拍手。
大変だったと思います。
つーか、この作品はジェシー役の加藤忍さんの為の
話なんだなっと思ってしまいました。
素敵な女優さんです。


あ、あと余談だけど、清水玲子さんのマンガが好きな私としては
人間とアンドロイドが恋をするというと
清水玲子さんのマンガだけでなく、色々ありそうだけど)
ジャック&エレナを思い出し、『メタルの花嫁』を思い出し
年老いた最愛の人が亡くなっても、自分はちっとも変わらず
忘れるということも出来ず、生きていかなければならない
アンドロイドの人生を想い、それもちょっと切なくなりました。
竜の眠る星 (第1巻) (白泉社文庫)