『ネバーランド』

恩田陸さんの『ネバーランド』を読みました。ネバーランド (集英社文庫)


タイトルと、”伝統ある男子校の寮に事情を抱えた四人の少年が居残りを決めた。”
というあらすじに抗えなかった…。
実は私、『1999年の夏休み』という映画が好きなんですよ。
(13歳くらいの深津絵里ちゃんとか、今では川合俊一さんの奥様になった方とか出演されていたんですが)
作者本人が”あとがき”で『トーマの心臓』をやる予定だったと書いているくらいですから
当然『1999年の夏休み』もご存知では?と思うんですが。
(映画『1999年〜』も萩尾望都さんの『トーマの心臓』が原作だかモチーフだった)


読み進んでいくと、寮の様子が映像化して、頭にクッキリ見えるんですよ。
おっかしいなぁ?小説を読んで、こんなにハッキリ映像が見えるなんて、無いのに。
昔『リング』を読んでいて、呪いのビデオの解析のシーンで、まばたきの映像が
クッキリハッキリ見えて、心底ゾーッとした以来です。実はその前に「世にも奇妙な〜」で
『リング』を見ていたのに忘れていただけ、なんですけどね。
そう、第一日目の首吊り人形のシーンで、
やっとこの話がTVドラマ化されている事に気がつきました。


そう、TVドラマが始まった時にも『1999年〜』っぽい、と思っていたのに
すっかり忘れていました。
そして、TVドラマの方はほとんど見ていなかったので(観たかったんですけど)
小説は小説として楽しめました。
が、小説は冬が舞台。
今は、夏真っ盛り。
できれば、冬に読みたかった。。。


トーマの心臓』『1999年の夏休み』よりも現実的で、
これからも逞しく生きていきそうな少年4人のラストで、良かった。
是非、大学生の4人とかにまた会いたい。