『赤鬼』(タイバージョン)

『赤鬼』タイバージョンを見に行きました。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/akaoni/
日本版では、4人。ロンドンバージョンでは8人。タイバージョンは14人で演じます。主要人物は「あの女」「とんび」「水銀」「赤鬼」の四人なので、日本版のように四人でもやろうと思えば、出来るんですけど、村人達をやはり多い人数でやってくれた方が、迫力があるというか、村という“共同体”がよく判ります。真っ白い舞台に真っ白い衣装の村人達の前にいかにも鬼っぽい扮装の野田秀樹が入ります。(タイバージョンだと外見が日本人とさほど変わらない為に鬼らしい扮装になったらしい)

タイらしい感じで、踊りながら舞台に役者が出てきて、すっごく楽しそうで、そこから何でか鳥肌が立っていたんですよ。脚本は、7年位前に読んでいるし、話も日本昔話みたいに判りやすくて、二週間前にもロンドン版『赤鬼』を見たばかりなのにタイバージョンは、最初からウルウルして見ちゃって、最後は物凄い涙と鼻水にまみれてしまいました。はずかし〜〜。

二回目だから、二週間前に見たばかりだから、話の細部に神経が行き渡って、最初から泣けちゃうんですよね。そして、赤色を基本色として使っていたロンドンバージョンに比べて、白いタイバージョンは爽やかで綺麗で、青い空と青い海まで見えるようなんです。あと姿形が似ていると、親近感が沸いて、タイ語は全く判らないけど、なんだか、ロンドン版より素直に見れるんですよね。伝えたいことがストレートに伝わってくるというか…。演出も美術もロンドンより、タイのほうが好きという結論に私と友達は達しました。

でも、ロンドン版よりチケット売れていないんですよ。こんなにいい舞台なのに、もったいない!どうやら、ロンドン版の英語ならまだ言葉が判るし、演劇先進国だけど、タイ版は言葉も判らないし、演劇後進国だし、というイメージがあるような気がする。

ロンドンは一回見れば満足。ある意味向こうで公演した時に酷評があったのも判るような気がするけど、タイはもう一回見たい。とても綺麗だし、楽しいシーンも増えているし
何より、「あの女」役の女優さんが無茶無茶可愛い。褐色の肌の黒髪ショートの女性の美しさを魅せつけられました。ちなみに「とんび」役の男性もカッコ良かったです。