『イマジン・ノート』

イマジン・ノート (集英社文庫)
今週頭から風邪気味で、夜は早くに寝るようにしていました。朝、目が覚めて、部屋の散らかりように愕然とする。「こんな汚い部屋の女、好きになる人なんていないよ。好きな人に”好きになって下さい”とも言えない」そんな想いを抱えた朝、救われる言葉もある。

今読んでいる本は漫画家の槙村さとるさんのエッセイ『イマジン・ノート』
心に残った部分を抜粋して、書き残しておきます。

 言葉がイヤにつかえて、失語症のようになる時、食べ物の味がしない時。かかってきた電話に出られない時。ゴミがたまって部屋がちらかりすぎている時。
 こういう時は、私の心がSOSの信号を出している時とだんだん解かってきた。「あーやだ、疲れた!あの人キライ!」という風にストレートに自分の心が解からなかった私は、こういう信号が出た時は心が危機なんだ−−−と覚えていくしかなかった。
 だらしない自分を責めるよりまず、許す。甘えさせ、休養する。それからひとつづつ、ステップバイステップで片付ける。ゴミ出し。掃除。片付け。電話。非礼をわびる。
 ひとつひとつのことにいちいち重りがついているみたいでやるのが大変だけど、やる。やれた。ホッ。
 できた時のホッとした感じを大事に覚えて、次は、自分からサッサとやれるよね?とはげます。
 まるで子供の話だけど、違います。いい大人になってから、こんなことしてました、私。

 自分で自分をしつけ直す。例えばきれいに食事をする。とか、遅刻をしない。とか、猫背ガニ股で歩かない。とか。直すのは時間がかかるけれど、人に命令されてやるわけではない。自分好みの自分に、しつけて、成っていくことだから、深い喜びがある。