『しずかなごはん』

劇団ジャブジャブサーキットさんの『しずかなごはん』東京公演初日に行ってまいりました。
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今回は、様々な依存症の方が訪れるクリニックのフリースペースが舞台。とりわけ“摂食障害”をメインに扱ったお話です。

摂食障害”について、私自身すごく考えた時期が過去にありました。生きとし生けるもの全て、エネルギーを摂取しないと生きられないのに。
食欲をコントロール出来ない=死、なのに。
何故そのような事が起こってしまうのか。何故そのような状況に陥ってしまうのか。

とても難しく、その事象の背景を探っていくととても重いテーマなので、演劇として作品にされるのに大変苦労されたようです。
(いや、今までも、とても重いテーマだったりするのを、ミステリアスに、非日常を交え、遊び心を忘れずに、質の高い作品を提示してくれるのはJJCの得意技なんですけど。)
今回は、前半なかなかストーリーに入り込めず、笑いのための演出がこれまでよりちょっと過剰な気がしたので、作演出のはせさんの産みの苦しみを勝手に想像してしまったのです…。

ですが、最後は気がついたら、しずかな涙が止まらなくなっていました。こんなに涙が出るとは自分でもびっくりです。

現代社会の闇(又は歪み)を浮き彫りに、ミステリ仕立てに、笑いをまぶし、生きていく事の困難さと尊さと希望を
しずかに、あたたかく伝えてくれる作品です。

現代人は、みんな何かに依存している。もしくは、何かを背負っている。
何が正しいとか普通とかって決められない。決めつけない。
受け入れて、ダマし、ダマし生きていく。そう、私も---。