『東京妖怪浮遊』

笙野頼子さんの『東京妖怪浮遊』を読みました。東京妖怪浮遊
「東京」と「妖怪」という単語に引っかかって手に取りました。
初めて読む作家さんです。

都会に出た女が結婚をせず、子どもを産まず、恋愛もせず、一生勤められるという保証もなく暮らしていると、40歳前後で急に妖怪になってしまう…。

物書きである妖怪ヨソメが東京で出会った妖怪の話。妖怪と言っても元は人間であったり、人間の心の弱さのような物が「妖怪」であったり、昔から居る妖怪が都会的に進化(?)していたり…というような。
そんな人間居る居る、そうかヤツは妖怪だったのか、と思わせてくれる。
ただ文章が独特で、どうも私と相性が悪いらしく、なかなか物語の世界に入れなくて読むのに大変時間が掛かってしまいました。
最後はなんだかどうしようもなく孤独でやるせない思いでいっぱいになってしまいました。
ヨソメである作者の不安がそのまま反映されてしまったような…。
私も40過ぎたらヨソメになりそうな予感。