『覆面作家の夢の家』

北村薫さんの『覆面作家の夢の家』を読みました。覆面作家の夢の家
覆面作家とその担当編集者が出会う事件の推理小説シリーズなのですが、順番メチャクチャに読んでいるので、それでも楽しめるんですが、シリーズのレギュラーの人間関係が進展していたりするとちょっとだけ「あ、順番に読みかかった。そうなったんだ」と後悔してしまいます。

短編が3本収録されているのですが、「覆面作家、目白を呼ぶ」のマルハナバチ・ファンクラブの下りは興味深かったですね。世の中、色んなファンクラブがあるものです。そして、ネットによる情報収集&ファン同士のコミュニケーションの利便性に小説を読んで改めて感心してしまいました。(自分でも充分ネットの恩恵を授かり体験しているのに、自覚していないというか、活字で読むと気づかされるというか…)

表題作の「覆面作家の夢の家」の謎解きでプロポーズっていうのは粋ですよ。素敵です。ただ謎を解いてもらえなかった時が悲惨と言うか…。「解けなかったら仕方ないそれまでだ」という彼の弱さ(機微)も見えて、そこがまた人間らしくていいというか。。。