『コッペリア』

加納朋子さんの『コッペリア』を読みました。コッペリア
加納さんの作品というと短編連作のイメージが強いんですが、今回は長編です。おそらく初めて!?
今まで短編だと思っていたのが(又は短編でも充分楽しめる作品が)実は繋がっていて、その繋がり方が鮮やかだったり、手品のような大団円であったりというのを期待していたので、長編は長かったなぁというのが感想です。


人形に恋をした男と、人形にそっくりな女と、人形を作る女と出合った男の3つの視点で物語が進むんですが、素直に同じ時間軸で視点が違うだけだと思って読んでしまいました。
なので、後半混乱してしまって、慌てて最初からもう一度読み直してしまいました。
(これって、これから読む方にはかなりネタばれなんでしょうけれど。)
小説って読者に親切に書かれている訳ではないんですよね。見事に騙されました。


もちろん、「人形にそっくりな女」が存在することが偶然だなんて思ってはいませんでしたが、人間関係が全部どこかで繋がっているのは繋がりすぎというか…小説なのは判っているんだけど、今回はちょっとご都合主義に感じてしまいました。


エピローグが素直に嬉しかったですね。加納さんらしいラストといいますか…。もしかしたら、少女漫画的と言われてしまうかもしれませんが。