『やわらかな針』

やわらかな針

やわらかな針

桐生典子さんの『やわらかな針』を読み終わりました。
今まで読んだことのなかった作家さんなのですが、私がよく山田詠美さんの短編集を読んだ時のように、一作読み終わるごとに作品の世界から抜け出せず、本を閉じて、しばらく物思いに耽って居たくなるような作品でした。
だからと言って、詠美さんの作風と似ている訳ではないんです。また別物なのですが、こういう「しばらく作品の世界に漂って居たくなる」短編を書いてくださる女性作家さんに出会えて嬉しくなりました。


収録作品で一番気に入ったのが『遠い泣き声』
何もかも知っていて、何もかも受け入れるから、ずっと夢を見させてくれていたらいいのに。