『小娘社長のときめき奮戦記』

小娘社長のときめき奮戦記―「私」が「わたし」であるために

小娘社長のときめき奮戦記―「私」が「わたし」であるために

最近、本屋へ行くとヨーガ本でよく見かける千葉麗子さんの『小娘社長のときめき奮戦記』を読みました。
電脳アイドル時代のチバレイというと高橋由美子武田真治のTVドラマ『南くんの恋人』に出ていたのを覚えています。そのドラマで名前と姿をキチンと覚えたのに、直後くらいに引退したので、ちょっと驚いて印象に残っています。その後、会社設立したのも知っていましたが、アイドル引退前からシナリオが出来ているものだとばかり思っていました。
ところが、そうではなかったのですね。


芸能事務所との契約が切れるのを見計らって、一人で弁護士事務所を訪れたコトが書いてありますが、事務所とのやりとりについては本には書いてありません。タイトルからしても、事務所を辞める話ではなく、社長として奮闘する話がメインですので、割愛されていて当然なのですが、先に書いたとおり、ドラマにより、世間に名前が広く知れ渡ったころでもあり、これからが稼ぎ時だったであろうチバレイを事務所がそう簡単に手放すはずはないと思われ、そんなコトを予想して、弁護士を立てて交渉しようとしていた千葉麗子ってやっぱり普通の10代ではなかったな、と思います。


シナリオが出来ていたんだろうと勝手に思っていた会社設立も、実は彼女がOLっぽいことをしながら色々考えた結果、自分の力で成し遂げたことに驚きます。設立のための経緯はかなり詳しく書いてあり、なかなか勉強になりました。


社長になって人を使う立場になった彼女の苦労話もありました。
同年代の女子学生とは、そりゃあぶつかるだろうなぁと容易に想像がつきます。10代から芸能界で大人に混ざって仕事をしてきた彼女とは、仕事に対する考え方、社会経験が違いすぎますもの。また、彼女自身も若いから、上手い言い方では無かったのだろうなぁと。
また、仕事するなら自分で企画・発案して、やり遂げたいという人と、ある程度決まりきった枠の中で仕事ををキチッとこなしたい人と居るのも当然で、そのぶつかり合いも解かりました。結局、ぶつかり合って、彼女自身も色んな人が居て、色んな仕事に対する考え方があることを学んでいく様子が書かれています。


それから本を読んで、彼女がとっても自分の社員を愛しているのが分かり、とても応援したくなりました。社長が社員をどう思っているか(上司が部下をどう思っているか)は、社長にも部下を持ったこともない私には当然知らない想いだったので、あの人も千葉麗子さんのように思っていたくれたのかなぁと思ったら、ちょっと心が温かくなりました。


さて、しばらく名前や姿を見ないと思ったら、昨年からヨーガ関連で出くわす千葉麗子さん。相変わらずお美しくて素敵です。本の中では、

もう、女の子を雇うのはやめよう、そう思ったのだ。
少なくとも、私が女の子を使えるような器になるまでは。

と書いていますが、今はどうなんだろう。本の出版は1998年。あれから結婚されて、出産されて、ヨーガと出会って。。。また機会があれば、彼女の奮闘記を読んでみたいな、と思います。