『変身』

変身 (講談社文庫)

変身 (講談社文庫)

東野圭吾さんの『変身』を読みました。
強盗事件に巻き込まれた主人公が脳の移植を受けるのだが、その脳の影響によって変貌していく----というようなお話です。


東野さんの『白夜行』や『秘密』が好きな私は、なんとなく作品としての完成度が低いように感じました。
前述したとおりSFとして興味深く読み進んでいくと「ラストで純愛小説だったのね」と肩透かしをくらったように思えるのです。
ヒロインの健気さには「凄いなぁ。私にはここまで出来ないなぁ」と感動したのですが…。小説だからの献身ぶりだよなぁと醒めた目で見てしまったり。


私としては、主人公が移植された脳の人物の心を癒してあげてハッピーエンドにならないかな、と途中で思っていたんですが。そんなラストだったら、もっと有り得なさすぎて、非難轟々かもしれません。


映画の公開も控えているようです。