『妖怪大戦争』

妖怪大戦争 (角川文庫)

妖怪大戦争 (角川文庫)

阿部サダヲさんが河童、忌野清志郎さんがぬらりひょん、というキャスティングを聞いたときから「絶対見るぞー」と思っていた映画です。他の出演者も豪華で「凄い!」と思ったはずなのに実際見るまでスッカリ忘れていしまいました。「主人公は神木くん」だけは呪文のように唱えていたけれど。


素直にメッチャ面白かったです!!!
ストーリーの予備知識は全くなかったのです。
「妖怪と人間が戦うの?」
「いや、神木くんが妖怪と一緒に戦っていたと思う」
「じゃあ、妖怪の中でも悪いやつと戦うの?」
「……とにかく子供向け映画として面白いらしいよ」
というくらい。


最初の妖怪「件」が不気味でちょっと引きましたが、あとはもうお笑い満載、お父様向けのエロ満載。(私もドギマギ。)
神木君がアップになるたびに「かわいいなぁ。かわいいなぁ」とひたすら愛でる(笑)
あっ、なぜか神木君の着替えシーンもありました。あれは誰向けのサービスシーン?


戦う相手があまりにも巨大で、神木君ひとりでどうなっちゃうのか心配したのですが、もう笑うしかない怒涛の展開で楽しませてもらいました。凄いよ、小豆洗い(Byナイナイの岡村)!!!


大人向け設定(?)が端折られているのはちょっと残念でした。「加藤(Byトヨエツ)」と川姫と陰陽師の関係がよく分からなかった。しかも魔人「加藤」って何?と悩んでいたら『帝都大戦』の加藤(By嶋田久作)だったらしい。


この映画、昔の『妖怪大戦争(1968年)』(※私は観ていません)のリメイクかと思っていたら、プロデュースが雑誌「怪」の先生方(水木しげる大先生、荒俣宏先生、京極夏彦先生、宮部みゆき先生)だったんですね。
どおりで、面白い話になる訳ですよね。そして、当然、先生方も御出演されております。水木しげる大先生の御言葉がこの映画のテーマです。


自分でも不覚だったのは、「スネコスリ」が死ぬシーン。「こんなありがちの設定のシーンで泣かないわよ。(スネコスリ、ぬいぐるみじゃん!)」と思っていたのに、ポロッと目尻から涙が一筋こぼれてしまいました。隣の友達も早くから鼻を啜る音がしていたので、きっと泣いていたと思う。「子供向け」のお涙シーンで、神木君の母でもおかしくない年齢の二人が泣いているって笑えるかも!?


そんな訳で「妖怪大戦争」はタイトルに誤りがあって、実は「妖怪大○○○」(←ひらがな3文字)な作品です。